チェス英語用語集:「クイーンズ・ギャンビット」からDuolingoチェスやオンライン対局まで楽しむために

Netflixドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を見てチェスに興味を持った人は多いだろう。私もその一人だ。最近公開されたDuolingoのチェスコースを始めたり、Chess.comに登録したり、YouTubeでチェスの動画を見たりしてみた。しかし、どうしてもチェス独特の英語表現が理解の壁となった。解説やレビューの内容を十分に把握できないのだ。

チェスのプレイヤー数を検索してみると、世界で7億人、FIDE(世界チェス連盟)に登録するプレイヤーは36万人、Chess.comの登録者は2000万人以上だという。YouTubeにも膨大な数の英語チェス解説動画が存在する。このように、チェスの情報は圧倒的に英語圏に集中している。英語の用語が分かれば、チェスの世界は一気に広がるはずだ。

そう考えて、これまで私が書き溜めてきたチェスの英語用語集に、AIアシスタントGeminiが解説などを加筆・修正したものを、このブログに掲載することにした。今後、新たな用語が出てきた際には随時追加していく予定だ。

(ウェブ上にチェス用語集は存在するが、広告ばかりでうんざりするものが多い。)

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チェス英語用語・用例集

I. 駒の名称 (Pieces)

  • King (K): キング(王様)。最も重要な駒で、チェックメイトされると負けになります。
  • Queen (Q): クイーン(女王)。最も強力な駒で、前後左右斜めに好きなだけ動けます。価値は通常 9点 (points)
  • Rook (R): ルーク(飛車)。前後左右に好きなだけ動けます。価値は通常 5点 (points)
  • Bishop (B): ビショップ(象)。斜めに好きなだけ動けます。価値は通常 3点 (points)
  • Knight (N): ナイト(騎士)。L字型に動く唯一の駒で、駒を飛び越えられます。価値は通常 3点 (points)
  • Pawn (P): ポーン(歩兵)。前に1マス(初回のみ2マス)進み、斜め前に1マス攻撃します。価値は通常 1点 (point)
    • 例: “A knight is worth 3 points.” (ナイトは3点分の価値がある。)
    • 例: “You are up 2 points in material.” (あなたはマテリアル(駒の価値の合計)で2点リードしている。)

II. 基本的な動き・状態 (Basic Moves & States)

  • Move: 指し手、一手の動き。
    • 例: “Move your pawn.” (ポーンを動かしなさい。)
    • 例: “What’s your next move?” (あなたの次の手は何ですか?)
  • Capture: 駒を取ること。
    • 例: “Capture the knight.” (ナイトを取りなさい。)
  • Check: チェック。相手のキングが次の手で取られる状態。キングはチェックを解除しなければなりません。
    • 例: “Check the opponent’s king.” (相手のキングにチェックをかけなさい。)
    • 例: “You are in check.” (あなたはチェックを受けている。)
  • Checkmate (Mate): チェックメイト。相手のキングがチェックされ、それを解除する方法がない状態。チェックメイトされると負け。
    • 例: “Checkmate in one move.” (一手でチェックメイトしなさい。)
    • 例: “Can you find the checkmate?” (チェックメイトを見つけられますか?)
  • Stalemate: ステイルメイト(手詰まり)。自分の手番で合法な手が一手もなく、かつキングがチェックされていない状態。引き分け (Draw) になります。
    • 例: “The game is a draw by stalemate.” (ゲームはステイルメイトによる引き分けだ。)
  • Draw: 引き分け。ステイルメイト、合意による引き分け、50手ルール、スリーフォールドレペティション(同型三回)などがあります。
    • 例: “Offer a draw.” (引き分けを提案する。)
  • Resign: 投了。負けを認めて対局を終了すること。
    • 例: “He decided to resign.” (彼は投了することに決めた。)
  • Illegal Move: 反則手。チェスのルールに違反した指し手。
  • Promotion: プロモーション(昇格)。ポーンが相手陣の最終列に到達したとき、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのいずれかに昇格すること。通常はクイーンに昇格します。
    • 例: “Promote your pawn to a queen.” (ポーンをクイーンに昇格させなさい。)
  • Castling: キャスリング(入城)。キングとルークを同時に動かす特殊な手。
  • Kingside Castling: 短キャスリング(キングサイドキャスリング)。
  • Queenside Castling: 長キャスリング(クイーンサイドキャスリング)。
    • 例: “Castle kingside.” (キングサイドにキャスリングしなさい。)
    • 例: “You cannot castle if your king is in check.” (キングがチェックを受けている場合、キャスリングはできません。)
  • En Passant: アンパッサン(通過捕獲)。ポーンの特殊な取り方。相手のポーンが初回に2マス進み、自分のポーンの隣に着地した場合、そのポーンを1マス進んだかのように捕獲できます。
    • 例: “Perform en passant.” (アンパッサンを行いなさい。)

III. 対局中の局面・戦術・戦略 (Tactics & Positional Concepts)

  • Opening: オープニング(序盤)。対局の最初の数手。定跡 (Opening theory) と呼ばれる決まった手順が多く存在します。
  • Development: 展開。序盤で自分の駒を有効なマスに配置すること。
    • 例: “Focus on development in the opening.” (序盤は展開に集中しなさい。)
  • Control the center: 中央を支配する。序盤の最も重要な目標の一つ。
    • 例: “Your first few moves should control the center.” (最初の数手で中央を支配すべきだ。)
  • Novelty: ノベルティ(新手)。オープニングの定跡から外れた、これまであまり指されていない新しい手。
    • 例: “This move is a novelty in this opening.” (この手はこのオープニングにおける新手だ。)
  • Middlegame: ミドルゲーム(中盤)。序盤が終わった後の複雑な局面。戦術的な駆け引きが中心になります。
  • Endgame: エンドゲーム(終盤)。駒が少なくなった局面。キングの活用が重要になります。
  • King activity: キングの活動。終盤ではキングを攻撃に使うことが重要になります。
    • 例: “Increase your king activity.” (キングの活動を増やしなさい。)
  • Passed pawn: パスポーン。相手のポーンに邪魔されずにプロモーションできるポーン。
    • 例: “Push your passed pawn.” (パスポーンを進めなさい。)
  • Opposition: オポジション。キング同士が互いの間に奇数マスを挟んで向かい合う状態。キング戦で優位に立つためのテクニック。
    • 例: “Take the opposition to block the king.” (キングをブロックするためにオポジションを取りなさい。)
  • Zugzwang: ツークツワンク。合法手はあるが、どの手を指しても不利になる状態。
    • 例: “Your opponent is in zugzwang.” (相手はツークツワンクの状態にある。)
  • Rook endgame / Pawn endgame: ルークエンディング / ポーンエンディング。残っている駒の種類で局面を分類します。
    • 例: “Learn basic rook endgames.” (基本的なルークエンディングを学びなさい。)
  • Tactics: タクティクス(戦術)。相手の駒を奪ったり、チェックメイトを狙ったりする短期的な手筋。
  • Strategy: ストラテジー(戦略)。長期的な視点での計画。駒の配置、ポーン構造、スペースの確保など。
  • Blunder: ブランダー(大悪手)。対局の流れを大きく変えるような、決定的なミス。
    • 例: “He blundered his queen!” (彼はクイーンを大悪手で失った!)
  • Mistake: ミステイク(悪手)。ブランダーほどではないが、状況を悪化させる手。
  • Inaccuracy: インアキュラシー(不正確な手)。最善手ではないが、致命的ではない手。
  • Best Move: ベストムーブ(最善手)。その局面で最も良いとコンピュータが判断する手。
  • Good Move: グッドムーブ(良い手)。ベストムーブに次ぐ良い手。
  • Brilliant Move: ブリリアントムーブ(華麗な手)。Chess.comの評価で、非常に見つけにくいが、戦局を有利にする強力な手。多くの場合、犠牲 (Sacrifice) を伴います。
  • Sacrifice: サクリファイス(犠牲)。駒をわざと取らせることで、戦術的な利益を得る手。
  • Material sacrifice: マテリアルサクリファイス。駒の価値を犠牲にする。
  • Positional sacrifice: ポジショナルサクリファイス。駒の価値は犠牲にしないが、局面の有利さを得るために配置などを犠牲にする。
    • 例: “Consider a material sacrifice to open lines.” (局面を打開するためにマテリアルサクリファイスを検討しなさい。)
  • Fork: フォーク(両取り)。一つの駒が同時に複数の相手の駒を攻撃すること。
    • 例: “Fork the king and rook.” (キングとルークをフォークしなさい。)
  • Pin: ピン(串刺し)。相手の駒が動くと、その奥にあるより価値の高い駒が取られてしまう状態。
    • 例: “Your bishop pins the knight.” (あなたのビショップはナイトをピンしている。)
  • Skewer: スキューワー(串刺し)。ピンと似ていますが、価値の高い駒が動くと、その奥にある価値の低い駒が取られる状態。
  • Discovered Attack: ディスカバードアタック(発見攻撃)。自分の駒を動かすことで、その裏にあった別の駒が相手の駒を攻撃すること。
  • Back Rank Mate: バックランクメイト。相手のキングが自陣の最終列(バックランク)に閉じ込められ、ルークやクイーンによってチェックメイトされること。
  • Pawn Structure: ポーンストラクチャー(ポーンの構造)。盤上のポーンの配置。戦局に大きな影響を与えます。
    • 例: “A good pawn structure creates strong squares.” (良いポーン構造は強いマスを生み出す。)
  • Tempo: テンポ。手番の価値、または時間の節約。相手に有利な手を強要させることでテンポを得ます。
    • 例: “This move gains a tempo by attacking the queen.” (この手はクイーンを攻撃することでテンポを得る。)
  • Weakness: 弱点。攻撃の対象となるマスや駒。
    • 例: “Identify the weaknesses in your opponent’s position.” (相手の局面の弱点を特定しなさい。)
  • Strong square / Outpost: ストロングスクエア / アウトポスト。相手のポーンに攻撃されない、自陣深くにあるマス。特にナイトにとって重要。
    • 例: “The knight on d5 is a fantastic outpost.” (d5のナイトは素晴らしいアウトポストだ。)
  • Initiative: 主導権。攻撃を続ける権利、相手に反応を強要する状況。
  • 例: “You have the initiative in this position.” (この局面ではあなたが主導権を握っている。)
  • Coordination: 連携。駒同士が協力して働くこと。
    • 例: “Improve the coordination of your pieces.” (駒の連携を改善しなさい。)
  • Exchange: 交換。同じ価値の駒同士を交換すること。
    • 例: “Trading rooks simplifies the position.” (ルークを交換すると局面が単純化する。)
  • Overload: オーバーロード(過負荷)。一つの駒が複数の任務を負い、どれか一つを守りきれない状況。
    • 例: “The rook is overloaded; it cannot defend both pawns.” (ルークは過負荷だ。両方のポーンを守れない。)

IV. 盤面・位置に関する表現 (Board & Positional Terms)

  • Square: マス。盤上の個々の升目。
    • 例: “Move your knight to the central square.” (ナイトを中央のマスに動かしなさい。)
  • File: ファイル(縦の列)。aファイル、bファイルなど。
  • Open file: オープンファイル。駒が一切ない縦列。
  • Half-open file: ハーフオープンファイル。自分のポーンがないが、相手のポーンがある縦列。
    • 例: “The rook is on the e-file.” (ルークはeファイルにある。)
  • Rank: ランク(横の行)。1ランク、2ランクなど。
  • Back rank: バックランク(最終列)。自陣のキングがいる初期位置の列。
    • 例: “Your king is on the back rank.” (あなたのキングは最終列にいる。)
  • Diagonal: ダイアゴナル(斜め)。ビショップが動く経路。
    • 例: “The bishop moves on diagonals.” (ビショップは斜めに動く。)
  • Center: 中央。盤面の中央部分のマス。
    • 例: “Control the center of the board.” (盤面の中央を支配しなさい。)
  • Kingside: キングサイド。盤面を縦に二分したキング側の半分。
    • 例: “Attack on the kingside.” (キングサイドで攻撃しなさい。)
  • Queenside: クイーンサイド。盤面を縦に二分したクイーン側の半分。
    • 例: “Your opponent is attacking on the queenside.” (相手はクイーンサイドで攻撃している。)

V. 対局の種類と評価 (Game Types & Ratings)

  • Blitz: ブリッツ。持ち時間が短い(通常3分〜5分)早指しチェス。
  • Rapid: ラピッド。ブリッツより少し長い持ち時間(通常10分〜30分)のチェス。
  • Bullet: ブレット。持ち時間が極端に短い(1分〜2分)超早指しチェス。
  • Standard / Daily: スタンダード / デイリー。持ち時間が長く、一手ごとに考える時間が与えられる(数日〜)チェス。
  • Rating (Elo Rating): レーティング。チェスの実力を示す数値。勝つと上がり、負けると下がります。
  • Provisional Rating: プロビジョナルレーティング。初期の対局数が少ない時の仮のレーティング。
    • 例: “My rating is around 1500.” (私のレーティングは1500くらいです。)
    • 例: “He gained 20 Elo points from that win.” (彼はその勝利で20Eloポイントを獲得した。)
  • Accuracy: アキュラシー(正確性)。対局中の指し手の正確性をパーセンテージで示す指標。高いほど良い手を指したことになります。
    • 例: “Your accuracy was 90% in this game.” (このゲームでのあなたの正確性は90%でした。)
  • Advantage: 優勢、有利。
    • 例: “White has an advantage.” (白が有利だ。)
  • Disadvantage: 劣勢、不利。
    • 例: “Black is at a disadvantage.” (黒が不利な状況だ。)
  • Equal: 互角
    • 例: “The position is equal.” (局面は互角だ。)
  • Material: マテリアル(駒の価値の合計)。
    • 例: “You are up a piece in material.” (あなたは駒の数で一つ駒が多い。)
  • Position: ポジション(局面)。
    • 例: “Analyze the position.” (局面を分析しなさい。)

VI. オンラインプラットフォーム・動画での機能・指示 (Platform Features & Instructions)

Chess.com関連用語

  • Dashboard: ダッシュボード。ログイン後のトップページ。
  • Play: プレイ。対局を開始する場所。
  • New Game: 新しい対局を始める。
  • Live Chess: リアルタイムで対局する場所。
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  • Lessons: レッスン。様々なレベルやトピックのチェス講座。
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  • Drills: ドリル。特定の戦術や局面の練習。
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  • Videos: チェスの解説動画。
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  • Forums: フォーラム。他のプレイヤーと交流する掲示板。
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  • Analysis Board: アナリシスボード。自分の対局や、他の対局を分析できるツール。
  • Game Review: ゲームレビュー。対局後に自分の手をコンピュータが分析し、評価してくれる機能。
  • Engine: エンジン。チェスAI(コンピュータ)のこと。局面の評価値(eval)や最善手を示します。
  • Mistakes/Blunders: ミステイク/ブランダー。自分が犯した悪手や大悪手の一覧。
  • Missed Wins: 逃した勝ち筋。自分が気づかなかった勝ちにつながる手。
  • Key Moments: キーモーメンツ。対局の重要な転換点。
  • Stats: スタッツ(統計)。自分の対局成績やレーティングの推移などを確認できます。
  • Settings: 設定。プロフィール、プライバシー、盤面の色などをカスタマイズできます。
  • Premium Membership: プレミアムメンバーシップ。有料会員になると、より多くのレッスンやパズル、広告なしなどの特典があります。

学習コースやYouTube動画での一般的な指示・フレーズ

  • To play… (e.g., “to play a move,” “to play for a win”): 〜を指す、〜を狙う。
    • 例: “White plays Nf3.” (白はナイトf3と指す。)
    • 例: “He’s playing for a win here.” (彼はここで勝ちを狙っている。)
  • To blunder: 大悪手を指す(Blunder動詞形)。
    • 例: “He blundered his queen!” (彼はクイーンを大悪手で失った!)
  • To miss (a move, a win, a tactic): (指し手、勝ち筋、戦術など)を見逃す。
    • 例: “Black missed a beautiful checkmate.” (黒は美しいチェックメイトを見逃した。)
  • To find (a move, a tactic): (指し手、戦術など)を見つける。
    • 例: “Can you find the winning move in this position?” (この局面で勝ちにつながる手を見つけられますか?)
  • To analyze: 分析する
    • 例: “Let’s analyze this game.” (このゲームを分析しましょう。)
  • To evaluate: 評価する
    • 例: “How do you evaluate this position?” (この局面をどう評価しますか?)
  • To break (e.g., “to break through,” “to break the center”): 突破する、崩す。
    • 例: “White is trying to break through on the kingside.” (白はキングサイドを突破しようとしている。)
  • To push (a pawn): (ポーンを)進める。
    • 例: “You should push your passed pawn.” (あなたはパスポーンを進めるべきだ。)
  • To simplify (the position): (局面を)単純化する、簡素化する。
    • 例: “Trading off pieces will simplify the position into an endgame.” (駒を交換すると局面が単純化されて終盤になるだろう。)
  • Select the correct option. (正しい選択肢を選びなさい。)
  • Tap the piece you want to move. (動かしたい駒をタップしなさい。)
  • Drag the piece to the target square. (駒を目的のマスにドラッグしなさい。)
  • Fill in the blank. (空欄を埋めなさい。)
  • What happens next? (次に何が起こりますか?)
  • Why is this the best move? (なぜこれが最善手なのですか?)
  • Explain your reasoning. (あなたの理由を説明しなさい。)
  • Choose the move that prevents checkmate. (チェックメイトを防ぐ手を選びなさい。)
  • Solve this puzzle. (このパズルを解きなさい。)
  • Complete the lesson. (レッスンを完了しなさい。)

VII. ドラマ「クイーンズ・ギャンビット」特有の背景・表現 (Drama-Specific & Contextual Terms)

  • Queen’s Gambit (Opening): クイーンズ・ギャンビット(オープニング)。ドラマのタイトルにもなっている白の序盤の定跡。1. d4 d5 2. c4 と進み、白がcポーンを犠牲(ギャンビット)にして中央の支配を狙う形です。
  • Queen’s Gambit Accepted (QGA): クイーンズ・ギャンビットを黒が受け入れた場合 (2…dxc4)。
  • Queen’s Gambit Declined (QGD): クイーンズ・ギャンビットを黒が拒否した場合 (2…e6 など)。
  • Gambit: ギャンビット。オープニングで、局面の有利さ(中央の支配、駒の展開の速さなど)を得るために、一時的に駒(特にポーン)を犠牲にすること。
  • Simultaneous Exhibition (Simul): 同時対局。一人のプレイヤー(マスターなど)が、同時に複数の相手と対局するイベント。
  • Speed Chess / Blitz Chess: 早指しチェス / ブリッツチェス。持ち時間が非常に短い対局形式。
  • Blindfold Chess: 目隠しチェス。盤を見ずに(または目隠しをして)行うチェス。高度な記憶力と集中力を要します。
  • Time Trouble: タイムトラブル。持ち時間が残り少なくなって焦っている状況。
  • Adjournment: アジャーンメント(中断)。昔のチェストーナメントで、対局が翌日などに中断され、その時点で棋譜を封印すること。中断中に分析が許されました。
  • Sealed move: 封じ手。アジャーンメントの際に、手番のプレイヤーが次の手を紙に書いて封筒に入れ、審判に預けること。
  • World Champion / World Championship: 世界チャンピオン / 世界選手権。チェス界の最高峰のタイトルと大会。
  • Prodigy: 神童。特に若い頃から並外れた才能を持つ人物。
  • Opening Repertoire: オープニングレパートリー。プレイヤーが普段使用する、得意なオープニングの組み合わせ。
  • “To be in form” / “To be out of form”: 好調である / 不調である
  • “To go over a game” / “To analyze a game”: (対局を)振り返る / (対局を)分析する
  • “To study”: 勉強する、研究する。
  • “Come on!” / “Let’s go!”: (掛け声として)「さあ!」「行こうぜ!」
  • “Good game.” / “Well played.”: 「良いゲームでした。」 / 「よく指しましたね。」
  • “To tip the king”: キングを倒す。ドラマで投了の意思を示す象徴的な行動として描かれる。

VIII. チェスの称号・解説者用語 (Titles & Commentator Terms)

  • GM (Grandmaster): グランドマスター。チェスの最高峰の称号。
  • IM (International Master): インターナショナルマスター。GMに次ぐ称号。
  • FM (FIDE Master): FIDEマスター。IMに次ぐ称号。
  • Titled player: タイトルホルダー。GM, IM, FMなどの称号を持つプレイヤー。
    • 例: “This game is between two titled players.” (このゲームは2人のタイトルホルダーの対局です。)
  • Engines / AI: エンジン / AI。チェスAIソフトウェア(例: Stockfish, AlphaZeroなど)。
    • 例: “Let’s see what the engine says about this position.” (この局面についてエンジンがどう言っているか見てみましょう。)
  • Evaluation (Eval): 評価値。エンジンが示す局面の数値評価。
    • 例: “The evaluation is +1.5 for White.” (白が1.5点有利な評価値だ。)
  • Line / Variation: ライン / バリエーション。特定の局面から考えられる一連の指し手。
    • 例: “The main line goes like this…” (主なラインはこう進む。)
  • Annotated game: 注釈付きのゲーム。専門家が手ごとの解説や評価を加えた棋譜。
    • 例: “I’m watching an annotated game by a Grandmaster.” (グランドマスターによる注釈付きのゲームを見ている。)
  • Live stream / Streamer: ライブ配信 / 配信者。YouTubeなどでチェスの対局や解説をリアルタイムで配信する人。
    • 例: “Many top players are also popular streamers.” (多くのトッププレイヤーは人気のある配信者でもある。)
  • Puzzle / Tactic: パズル / タクティクス。特定の局面から最善手を見つける問題。
    • 例: “Let’s solve some puzzles together.” (一緒にパズルを解きましょう。)

さらにチェス用語を知りたいときは・・・
チェス用語小辞典(英和)――読解と上達のために
(翻訳家でチェス日本チャンピオンにもなった西村裕之さんのウェブサイト)

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