ニオイ

藤田保健衛生大学 医学部一号館

昨日は藤田保健衛生大学まで勉強会に行ってきた。知らない大学に行くというのはとても面白いのでちょっと早めに出発してぶらぶらした。いつものように迷子になってしまったけれど、目の前の学生を呼び止めたら丁寧に案内してくれた。どこの大学に行った時も、事務の人ではなくて学生に尋ねたほうが親切で丁寧に教えてもらえることが多い。

会場の藤田保健衛生大学の医学部一号館に入った瞬間、懐かしいにおいがした。解剖学実習のにおいだった。本当はなにのにおいなのかわからない。でもそのとき漂ってきたにおいで私は解剖学実習を思い出した。あまり楽しい思い出のない解剖学実習だけど、そのころ何をやっていたかは結構よく覚えている事に気がついた。

においをかぐと急にいろんな記憶が蘇ってくる。かなり鮮明な記憶の時が多い。感覚から蘇ってくる記憶ではにおいが一番強烈であることが多い。なぜなんだろう。新しいにおいを思い出したらまた何か書こうと思う。

見たことがあるようで違う茶碗

鼠志野茶碗

どことなく見たことが、あるような、ないような、鼠志野の茶碗だと思う。銘は潔く「峰紅葉」だ。本当のことを言うと、この茶碗は陶芸体験教室で作って、つい最近になって完成して送られてきたものだ。形は全く似ていないけれど、そういうことを気にしてはいけない。

陶芸「体験」なので、茶碗を作る過程で私がやったというのはろくろで形を作るだけだ。だから形はまったく似ていないのだ。ろくろでこれだという形が決まったら、釉を自分で選ぶことができた。形が決まったといってもこれ以上触ったらぐちゃぐちゃになりそうだから手を打ったというほうが正しい。ともかく釉薬は鼠志野を選んだのだけど、そのときに思い出したのが峰紅葉という名のついている茶碗だった。正直にいえば、鼠志野の茶碗といって、これしか浮かばなかっただけなのだけど。直前に本で見たのがその茶碗だったのだから、そんなもんである。ともかく「亀甲の絵の有名な茶碗で・・・・・・」と言ったら「峰紅葉ですか」と言ってもらえた。そんないきさつから、「そんな感じに仕上げてください」と頼んでしまったのだ。

それはさておき、愛知県陶磁資料館では10月3日から11月23日まで「志野・黄瀬戸・織部のデザイン」が開催されていて、そのなかに峰紅葉の茶碗もあるみたいだ。ほかにもいろいろあるみたいで、美濃焼の茶碗が大集合という感じなので、なんとか足を運びたいと思う。やはり、写真で見るのと、本物を見るのとではなにかが違うらしいということが分かってきた。たとえガラス越しでも感動できるのはやはり本物なのだ。そのときはわけがわからず周りに合わせて感嘆しておくとしても、あとからじわりじわりと思い出しては膨らんでくるなにかがある。ますます行ってみたくなってきた。