僕は本にはさむ栞が好きだ。栞が好きになったきっかけを考えてみた。たぶん一番は、本を一気に読むことがなかったというところだと思う。もともと気が散りやすい方で、何時間も読書し続けるなんてできない。それで自然と栞をはさむようになったのだろう。それに、小学校や中学校の頃、図書館で借りてきた本は折り曲げたり書き込んだりはできない。自分で買った本でもいまだに、もったいなくて折り曲げたりはできない。そういうわけで今でもやっぱり栞をはさむのだろうなと思った。

栞といえば、古本屋で買った本から前の持ち主がはさんだままの栞が出てくるのが好きだ。手作りの栞が出てきた時なんて最高だし、その栞にメモが残っていたりするのも、いろいろ想像が膨らんでいい。出てきた栞が妙に古臭いものだった時も、この本はいったいどんなに長い間古本屋の本棚に眠っていたのだろうなんて想像できて楽しい。しわくちゃのスーパーのレシートがはさまっているのも好きで、読みかけで誰かに呼ばれてとっさに買い物帰りの財布にレシートを見つけてはさんだのかななんて勝手に物語をつくったりしている。

表の書き方

論文でも学会発表でも、たいてい2つか3つは表などが必要になる。何となくこれまで誰かのを真似して書いてきたのだけれど、よくわからないなあということが多かった。数値は “平均 ± SD” がいいのか “中央値 (25 percentile, 75 percentile)” がいいのか。見出しはどういうふうにつけたらかっこいいのか。表の罫線はどういうのが許されるのか。習うより慣れろという言葉はあるけれど、習わないことには納得できないたちだし、慣れるより習うほうが早いし確実なこともある。なにより習うことで自分が作った表にも自信が持てるようになるだろう。

そういうわけでアマゾンでよく売れていた “How to Report Statistics in Medicine” を注文した。これは表だけに限ったことではないだろう。こういう論文の書き方みたいな本を何冊か買って読んでみようと思う。最近は Amazon Student のせいでまたたくさん買うようになってきたのだけど、せっかくなので Student らしく勉強の本をたくさん買っていきたい。

読書の秋は論文を読もう

あまり論文を書けないままだけれど、今年ももう半年以上が過ぎてしまっている。大学でやったほうが捗ることもあれば、自分の家のほうが捗ることもあって、でも結局作るのは論文なので家と大学との間をいろんな物を毎日持ち運んでいる。とくに急に「あの論文が読みたい」となることは多いので、手元に論文があるかどうかは何をするにも大きな問題だ。でもそれが自分の家だと、論文を簡単にはダウンロードできないことも多くて、行き詰ってしまってやる気急降下という事になりがちだ。

私はこの2年半ぐらいはずっと Mendeley を使って論文を整理していたのだけど、その論文の PDF の保存先を Dropbox にしたらいいというブログを見つけてからは、それに従っている。そのフォルダを Goodreader で Sync しているので iPhone からも iPad からもらくに見られるようになった。おかげで、学会へ行く途中の電車内での「あの論文が読みたい」にも慌てることが無くなった。(とはいっても Mendeley lite のアプリのほうが検索するには楽なので、普段は iPhone のメモリを圧迫しているだけのような気もしている。)

デスクトップアプリに “Added” という項目があって、それを見るといつその論文をダウンロードしたのかがわかる。それを見て「あの頃はよく読んでいたんだなあ」と思ったりすることもあるし、数週間全く論文を追加していない時期があって、なんだかヘンな時期もあったようだなと思うこともある。”Title” でソートしてみていつも思うのは、”Association of …” という論文ばかりだということだ。疫学だとやっぱりそんな論文がおいのかなとも思う一方で、自分はそうではないかっこいいタイトルを付けてやろうと思ったりもするのだけど、なんだかんだでやってる研究の内容は “Association of… ” なんだから仕方ないかなと思う。

実はダウンロードしたのだけれど、全く読んでいない論文というのがいっぱいある。それで最近強く思うのが、読書の秋なのだし、そういうのを読んでみようかなということだ。ダウンロードしたということは読む価値有りとその時は思ったのだろう。それにむかしダウンロードした論文を今またダウンロードしようとしていて、「なんだ、去年こんなのをダウンロードしていたのか」ということも多い。面白そうなのから少しずつ読んで、書くときのヒントを発見していきたいなと思う。