ついに手に入れてしまった。『ゴースト ニューヨークの幻 スペシャル・デラックス・エディション』 のDVDだ。Amazonのまとめ買いキャンペーンを見かけ、以前から気になっていた作品とともに注文したのだ。
思えば、私がずっと心に抱き続けてきた「陶芸家」の凛とした美しさのイメージは、この映画のデミ・ムーアからだった。『アンチェインド・メロディ』が流れるなかで、彼女がろくろを回すあの有名なシーンである。
紐解かれた記憶を書き添えると、彼女の恋人である銀行員を演じたのがパトリック・スウェイジだ。そして、インチキ霊媒師でありながら、なぜかこの時だけ本物の霊能力を発揮してしまう愛すべき存在を演じたのが、ウーピー・ゴールドバーグだった。
思いがけず手に入った特別版は2枚組だった。特典ディスクに収録されていた映像技術の舞台裏(メイキング)のインタビューが、実に興味深い。現代であればすべてコンピュータ・グラフィックス(CG)や3D技術で処理してしまうような超常現象の描写を、当時の人々は、今や失われつつある手作業のアナログな特撮技術と凄まじい試行錯誤で形にしていた。クリエイターたちの苦労と情熱の記録に、深く感心してしまった。
しかし、今回の最大の収穫は、何よりもこの映画のストーリーそのものを鮮やかに思い出すことができた点にある。『アンチェインド・メロディ』の印象があまりにも強烈すぎて物語の細部を忘却していたが、それ以外の場面も名シーンの連続なのだ。
今思えば、デミ・ムーアの凛とした美しさは、愛する恋人を失ったあとの、芯のある行動の姿から立ち上っていたのだ。そんな強い生き様が描かれるからこそ、あの静かなろくろのシーンは、より鮮烈に記憶に残り続けたのだと思う。
そして、劇中で交わされる「Ditto(同じく)」という不器用でじれったい愛のセリフも、忘れられない。いつかニューヨークを訪れたなら、そっと使ってみたい言葉である。