森美術館の「未来と芸術展」を見に行った。サブタイトルに「AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」とある。展覧会ウェブサイトによると「AIとのコラボレーションにより、本展のタイトルを決定」ということだけど、イマイチなタイトルなので、きちんと人間が考えた方がいいのにと思った。説明的ではあるけれど、展覧会自体の雰囲気とはあまりリンクしていない印象に残らない残念なタイトルだと思う。
展示は、いろいろな科学的な進歩や可能性について、そのなかに存在している美術的な部分を抽出しようというようなもののように感じた。ありがちな内容ではあるけれど、これだけのボリュームのなかで見て体験するとなかなかおもしろいと感じた。全体的に、視覚的に訴えようという展示が多くて、未消化なまま次の展示に進んでしまうようで、もうちょっとそれぞれの展示を深く感じられる工夫があればもっと印象に残る展示になったのではないかと思う。
それから、展覧会として、企画展の内容として、美術館でやるものとしては珍しい部類のものであるのだけど、展示の仕方なども、科学未来館でやっていそうな、あるいは万博のパビリオンでありそうな内容だとも思った。美術館でも科学博物館でもこんな展示があったらとおもうし、今回と同じ展示物でも、森美術館とは別のところで開催したならまた別のものになっただろうし、そこはまさにキュレーターの腕の見せ所だろうし、見る側としては楽しみな部分である。
ついでながら書くと、科学博物館でやってそうだと思う割には、思い出してみるとあまりやっていないように思う。個人的には、国立科学博物館などがこういう企画展をときどきやったら良いのにと思う。科学博物館にとってもこういう企画が時々あると、いつものマンネリ感のある展覧会がちょっと変わるのではないかと思う。
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