夏の夜は

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小倉百人一首の36番に

夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ

というのを見つけた。当時の月は雲の裏に隠れていたのだろうか。夏は夜が短くて月の活躍することも少ないから、少々隠れていてもいいということなのだろう。ところで、明日は日食だそうで、今度はその月の裏側に太陽が隠れるということらしい。ややこしい。月も太陽も面倒くさい。

これは、清原深養父という人の歌で、ちなみにこの人

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ

と歌っていた清少納言のご先祖様に当たるという。二人揃って難しい歌を詠むものだなあと思う。清少納言の言うとおり「夏は夜」が好きだ。きょうのように雨が降っているのはさらに好きだ。夏の映画で必ず雨のシーンがあるのはやはり雨の日が好きだからだろうと私は勝手に思い込んでいる。ただ暑いだけの夏は嫌いだ。日食で太陽が隠れても涼しくはならないだろう。エリカ様も日本に帰ってきたことだし、私も少し気になっている。

投稿者: 玉井 裕也

食べ物、展覧会、街歩き、旅行の記録です。

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3件のコメント

  1. いつも玉井さんの細やかな感性を、楽しみに読ませてもらっています!

    わたしも夏の夜はとっても好きです。
    あと五月の昼も好きです。

    雨はあの音。そして雨で思い出す「思い出」がいい。

  2. 雨の音は何か特別な感情を思い起こしてくれるような気がします。
    五感の中でも特に音というのはそういうことが多いような気もします。
    映画やテレビドラマで雨音が聞こえてくるというシーンがよくありますが、
    音を聞くだけでそれがどんな雨なのか瞬間的に思い浮かびます。
    そういう音から、さらにもっと個人的な体験を思い起こしてくれることもあるような気がします。
    ところで、いったいどんな「思い出」を思い出すのですか。

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