タンゴを聴きに

先月、名古屋ブルーノートで開催された「ハッピータンゴアワー」という公演へ行ってきた。もちろん、私のお目当てはバンドネオン奏者の小松亮太だ。

「昔はあえて無名な曲ばかりを演奏するコンサートなども開いていたのですが……今回は有名曲ばかり集めました」という本人の言葉通りのセットリストで、私としては大歓迎だった。アンコールの一曲目には王道の『ラ・クンパルシータ』が演奏されるなど、曲名がアナウンスされるたびに客席から「待ってました」と言わんばかりの熱い空気が湧き上がっていた。その客席の気持ちは本当によく分かる。

小松亮太本人は「この楽器編成では……」と最初は少し乗り気ではなかったようだが、共演したサックス奏者・須川展也のリクエストだから仕方がない、と苦笑いしながら演奏されたチック・コリアの『スペイン』も実に良かった。原曲自体もそれほど聴き込んでいるわけではないのだが、バンドネオン、サックス、バイオリンという組み合わせが生み出す響きは新鮮で面白かった。

今回のシリーズでは、小松亮太は椅子に座らず、立ってバンドネオンを演奏するスタイルをとっていた。私が入ったのがセカンドステージだったこともあってか、少し疲れているようにも見えた。本人もMCで「立奏は疲れます」とこぼしていたので本当に大変だったのだろう。サックスとバイオリンが立って演奏するため、ステージ上のバランスを合わせたのかもしれない。

会場にはこの日限定のスペシャルカクテルも用意されていた。須川展也は休憩時間に飲んでいたそうで、「美味しいのでおすすめですよ」と客席に紹介していたが、私は車で来ていたため泣く泣く諦めた。次に行くときは絶対に電車にしようと思う。

とはいえ、終演後にはサインもいただくことができ、大満足の夜だった。


関連記事:サントリー・ローヤルとアストル・ピアソラ

コメント

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *