仙台駅の銘品店(めぐりめぐりめ)で「東海フェア」の看板を見つけ、足を止めると、そこには「お福餅」が並んでいた。かつては伊勢の周辺や東海地方でしか手に入らなかったはずの餅が、東北の地で売られていることに驚き、迷わず一箱を手に取った。
調べてみると、2018年にお福餅は2018年に大きな進化を遂げていた。従来の木箱からフィルム包装による二重構造へとパッケージを刷新したのだ。この技術革新により、保存料を一切使わないまま、賞味期限を3日間から7日間へと延ばすことに成功したという。仙台駅での販売も、全国への通信販売も、すべてはこのパッケージの進化がもたらした恩恵だった。
2007年には赤福と共に賞味期限を巡る問題に直面した同社だが、それに対する回答が、単なる反省の言葉だけでなく「パッケージの刷新による科学的な解決」であった点に、ものづくりの真摯な姿勢と矜持を感じる。密閉性が高まったことで、時間が経っても餡が干からびず、瑞々しさが保たれるという実利的なメリットも大きい。
ちなみに、いつの間にか包み紙の趣も変わっていた。1998年からは表記が「御福餅」から平仮名の「お福餅」になり、二見ヶ浦の夫婦岩のイラストが前面にあしらわれている。
世間ではしばしば「赤福の類似品」と誤解されることもあるが、決してそうではない。伊勢の地には古くから多くのあんころ餅の店があり、その長い歴史の中で切磋琢磨し、現代に残った双璧が赤福とお福餅なのだ。
双方の味の差異は極めて微細だが、あえて五感を凝らせば、赤福の餡は深く濃い色をしており、お福餅のそれはほんのりと淡く明るい。そしてお福餅の方が、水分を湛えたしっとりとした瑞々しさがあるように感じる。
どちらも甲乙つけがたい魅力があるが、遠く離れた仙台の地でもその進化の果実を味わえるようになった今、しばらくはお福餅をひいきにすることになりそうだ。














