僕は本にはさむ栞が好きだ。栞が好きになったきっかけを考えてみた。たぶん一番は、本を一気に読むことがなかったというところだと思う。もともと気が散りやすい方で、何時間も読書し続けるなんてできない。それで自然と栞をはさむようになったのだろう。それに、小学校や中学校の頃、図書館で借りてきた本は折り曲げたり書き込んだりはできない。自分で買った本でもいまだに、もったいなくて折り曲げたりはできない。そういうわけで今でもやっぱり栞をはさむのだろうなと思った。

栞といえば、古本屋で買った本から前の持ち主がはさんだままの栞が出てくるのが好きだ。手作りの栞が出てきた時なんて最高だし、その栞にメモが残っていたりするのも、いろいろ想像が膨らんでいい。出てきた栞が妙に古臭いものだった時も、この本はいったいどんなに長い間古本屋の本棚に眠っていたのだろうなんて想像できて楽しい。しわくちゃのスーパーのレシートがはさまっているのも好きで、読みかけで誰かに呼ばれてとっさに買い物帰りの財布にレシートを見つけてはさんだのかななんて勝手に物語をつくったりしている。

投稿者: 玉井 裕也

食べ物、展覧会、街歩き、旅行の記録です。

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2件のコメント

  1. 私は古本屋で買ったマンガから、個人名が記載された銀行からの預金残高通知ハガキが出てきたことがあります。
    前の持ち主がハガキを栞として用いていたのでしょう。

    ちなみにその人の預金残高は3000万円を超えていて、びっくり!

    1. イズハラ先生
      とりあえず手元にあるものを栞にしてしまうんですね。
      それにしても預金3000万円なんてみたら、僕だったら本の中身を忘れてしまうくらい気になってしまいます。

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