愛情物語

愛情物語という映画を見てしまった。わたしはずっと、こういう映画は見てはいけないと考えていた。角川春樹だとか赤川次郎だとか、そういうのは何のポリシーも持たない連中が見るものだと長いこと信じていた。だけどいつごろからかそういうのこそ見た方がいいんじゃないのかという疑問が増してきた。キーワードひとつで選んでしまう今は、マイブームということだろう。

角川映画と言うのがまず、引っかかっていた。角川映画って一体なんなんだって聞かれても、うまく答えられる人は少ないだろう。だけど、角川映画ってああいうのだなとたいてい思い浮かべることはできる。「ああいうの」が好きになれなかったのに、今は大好きなのだ。不思議だ。角川春樹ってカッコいいとさえ思う。それから赤川次郎の小説と言うのも昔は好きになれない気がしていた。赤川次郎の小説そのものというより、赤川次郎の小説を読んでいるという人達が好きじゃなかった。クラスにかならずいる赤川次郎が好きな女の子って、自分とは決して話の合わない人たちだと思っていた。今更に好きになるというのはなぜだろう。

それでこの愛情物語では例のごとく原田知世が出てくる。話の途中で脈絡なくミュージカルシーンが始まる。こういうのもおもしろい、と思うようになってしまった。設定の一つ一つが飽き飽きとするもので以前なら耐えられなかっただろう。そんなベタの波状攻撃に耐えられるようになったのは自分自身の成長のおかげだと考えることにしている。

彼のオートバイ、彼女の島

連休だったので、ビデオレコーダーに録りためた映画を見ようと思った。録画したままの映画はもう1年近く前のものまである。どれから見ようかと思ってちょっとネットで検索していたら、gyaoがyahooの一部になっていたことを知った。たまたまそこで見つけてしまい見てしまった映画が「彼のオートバイ、彼女の島」だ。レコーダーの映画を消化するはずができなくなってしまった。

そもそもなんで映画を見る前にネットで検索するのかといわれるかもしれない。私はいつも映画はあらすじを知った上で見たいのだ。話の展開を知っていたほうが映画は楽しいと信じているからいきなり映画を見るなんてできないのだ。一通り展開を知っていないといけない。だからネットで「ネタバレ」なんて書かれていても気にせず読んでしまう。そのほうが映画を100パーセント楽しめる。知らない人は試してほしい。

肝心の映画はというとカワサキのバイクが中心である。原田貴和子と竹内力の二人だけのシーンが特にいい。この映画を見ようと思った理由が頭に張り付けてある予告編をyoutubeで見つけてしまったからだ。こういう予告編が私は好きだ。字幕というかタイトルというのか、あの文字の出てくる感じが大好きだ。映画館にはもう長い間行っていないけれど、この予告編を見て映画館に行きたいと思った。テレビのCMで見る予告編というとおすぎとピーコが叫んでいるようなものばかりで、これでは映画館に行こうという気分にならない。だけど、こういう予告編を見たらみんな映画館に行きたくなるのじゃないかと思う。映画の予告編はどれも素敵だからまたyoutubeでいろいろ探そう。