京極夏彦グローブ

cycling gloves 指貫グローブ

このあいだ自転車で知り合いを見つけたので止まったら、「京極夏彦!京極夏彦でしょ、それ!」と言われた。「違います。」指ぬきグローブしているけど、京極夏彦のコスプレではないし、ファンですらない。京極夏彦のファンはあなたの方だろうと言った。指貫グローブはそんなにヘンなのか。使っているのは京極夏彦かせいぜい DAIGO ぐらいだから珍しいのかもしれないけど、そんないい方はないだろうと思った。

どう言われようと自転車に京極グローブは必需品なのだ。京極グローブ無しだと確実に手のひらが痛くなるし、しびれてくることもある。それに僕の自転車はハンドルのバーテープが白いので素手でつかんでいるとすぐに汚れてくる(ような気がする)。転んでアスファルトに手をついても怪我することを防いでくれる。などなど、ツッこまれた時のための言い訳はいくつか用意してある。それでもやっぱりヤリ過ぎ感は中和できないなあと確かに感じている。

僕も、グローブを買うときには京極夏彦っぽさを消すためにいろいろ考えて、反射して光ったり黒かったりするものは避けるようにした。それでもなお京極夏彦呼ばわりされた。京極グローブを見つけたぐらいで騒ぐことなんてないし、そっとしておいてほしいと思う。周囲の目を気にせず京極グローブをつけられる日がきたら、どんなに気分が楽になるだろうかと思う。

カンチブレーキは魅力的!

cantilever brake カンチブレーキ

私の愛車(といっても自転車の方)のビアンキ・ルポだけど、ブレーキが利かないらしい。ルポは一応、シクロクロス(サイクロクロス)ということになっているから、カンチブレーキが付いている。この写真の通りのスカスカな感じがシクロクロスらしさだから、私はこのままのほうがいいと思っている。

このままとは言うものの、このKoreというメーカーのカンチブレーキは不人気みたいで、別のメーカーのカンチブレーキに交換したという人もいるようだ。でも、カンチブレーキ以外に替えたという話はあまり聞かない。きっとカンチブレーキのほうが似合っているからだろう。

それに、そもそも自転車というのは急ブレーキをかけるというような乗り物ではない。止まろうと思ったら漕ぐのをやめていけば自然と減速するし、少しずつブレーキを掛けていけば自然に自転車は止まるものだ。ブレーキを掛けなくてもいいような場所を走ればいいのだし、ブレーキを掛けなくてもいいような走り方をすれば良いのだ。そんな気分でゆったり走ったほうが楽しいと思う。

そういえば、「カンチ」という名前を自転車屋で初めて聞いた時、「東京ラブストーリー」を思い浮かべた。東京ラブストーリーは織田裕二(カンチ)と鈴木保奈美(リカ)がでてくる私の好きなドラマだ。いまだに自転車に空気を入れようとしてブレーキを見ると、小田和正の主題歌が頭の中に流れ始めることがある。そんなところもカンチブレーキの魅力だと個人的には思っている。

チェレステ

私がビアンキの自転車にのることになった理由はとても単純で、カッコイイと思ったということだけだ。10年ぐらい前に雑誌で見たビアンキの自転車に乗ったイタリア人は本当にかっこよかったのだ。少し濡れた石畳の上をスーツの紳士がチェレステカラーの自転車に跨っている姿はいまも脳裏に焼き付いている。いつかあんなふうに自転車に乗りたいと思ったものだ。

ところで「チェレステ」で画像検索するときちんとビアンキの自転車がヒットするのに、「celeste」と英語で(イタリア語で)検索するとダイナマイトなバディがヒットするのはなぜなんだろう。きっとCelesteさんなのだろうけど、「きちんと」してるのは実はむしろこっちなのだろうか。それはやはり複雑な気持ちになる。

暑い季節が終わったと思ったら急に寒くなって、自転車に乗るには風が冷たくなってしまった。だけどその名前の由来のとおり晴れた日にはもっと自転車に乗りたいと思う。