ぶりぶり香合

何年か前に「ぶりぶり」という言葉をみつけたとき、変な名前だったのでずっと気になっていて、そのうち自分で作ってみたいと思うようになっていた。つい先週、香合が出来上がったのでそのことを書く。

今回は上信楽の粘土を使うことにした。香合は触るのが楽しくて欠けてしまったということが多いので、上信楽なら硬くなりそうで欠けることもなさそうだと期待したからだ。難しかったのは八角形にすることだ。私はついつい指で触ってなんでも丸くしてしまうので、カキベラで丁寧にきちんと角ができるように削るようにした。乾燥するときか焼く時かわからないけど、香合はいつのまにか歪んでしまうことが多いのだけど、今回はほとんど歪まないでくれた。私は絵を描くのが苦手なのでいつもはあまり絵を書かないのだけど、たまにはいいかなと思ってこの時は絵の具で青と黄色の水玉模様をつけた。

buriburi kogo

陶芸教室でいろいろ作ってみた中で、香合はとくに作るのが楽しいと私は思う。どんな形でもいいのだけど、きちんと入れ物になっているというところが面白いと思う。ちょうど先週から愛知県陶磁資料館で「形物香合番付の世界」という企画展が始まった。ホームページで見つけたときに小躍りするほどうれしくて、早く観に行きたいと思っている。愛知県陶磁資料館でいろいろ見たら、またいろんな香合を作りたい。

こま犬制作中

10月に入って、こま犬を作り始めた。夏ごろからはずっとお皿ばかり作っていたのだけど、秋になると何かもうちょっと大きくてデコボコなものを作りたくなるような気がする。

Komainu Day3

ほとんど出来上がったものがこちらだ。愛知県陶磁資料館のこま犬コレクションの図録などを参考にしながら作った。一番難しかったのは頭の部分だ。このこま犬は、ひも作りでおしりから順番に作っていったのだけど、頭まで来たところでどうしたらいいのか困ってしまった。粘土のいいところは失敗したら壊して何度でも作り直せるところで、いろんな方法で作りなおしてようやく出来上がった。

Komainu Day3

おかげで、うれしいことにカメラを向けると「顔認識」までしてくれるようになった。口のところからコテなどを突っ込んで、全体が出来るだけ張った形になるようにするのに苦労した。

Komainu Day3

私は面倒くさがりでメモや記録をしないので、作っているうちにいつのまにかアンバランスな形になってしまうことが多い。それに作っているうちにちょっとずつ大きくなってしまうことが多くて、今回のこま犬も気がついたら頭でっかちで、そのせいで台座から頭がはみ出してしまった。ちょっと不安定なのだけど、前のめりなところは悪くないかなと思っている。乾燥中に割れたりしないことを祈りながら、どんなふうに釉薬をかけようかと悩んでいる。

2625万円

この数年はデパートに行くたびに、美術画廊を覗くようにしている。むしろ美術画廊を覗くためにデパートに行く事のほうが多いような気さえする。もともとデパートの雰囲気が好きで用もないのにぶらぶら歩いたりしていたので、新たな楽しみが増えたというような感じだ。

数週間前に松坂屋で「近代陶芸巨匠展」という企画がやっていた。巨匠っていったい誰なんだろうと調べたら、有名な名前ばかりだったのでこれは行くしかないと運良く名古屋に用事があったので松坂屋に寄り道した。ひとまずグルっと一周したけれど、ついている値段がとにかく大きくて、気軽にさわっていいのか戸惑った。たしか板谷波山のだったと思うのだけれど2625万円の札がついていた。小市民の僕には作品自体よりその数字が強く記憶に残ってしまった。その作品は一昨年の愛知県陶磁資料館の「明治の人間国宝」展でいくつか見たような雰囲気で、あの時のものに値段がつくとこういうことになるのか(もっと高いのだろう)とまたしてもお金のことを考えてしまった。ともかく僕が見た値札の最高記録を更新したのでしばらくは忘れないと思う。

作品としては加守田章二の壺(花入?)がもっとも強く記憶に残っている。湯呑みなどではなくて、大きな作品を間近に見てみたいとずっと思っていたので、その機会が得られたのはとてもうれしかった。ザ・加守田章二という雰囲気の作品を見てしまってからは、ますます気になって仕方がなくて、どこかで加守田章二展をやってくれないかなと思っている。